『素晴らしきソリボ』パトリック・シャモワゾー(1988)
読んだ期間:2023/3/9~3/15(計6日)
3/9木 ~p.47
かなり好みのヤバさだとは思うんだけど、慣れてないのかなんなのか、読みにくい……
いきなりバトルものになって草 ガタイのいい女性vs警察官たち
3/10金
第一章おわり
3/11土
第二章 ~p.85
太った中年女性ドゥードゥー=メナールさんパワフルすぎてほんと好き
ブアフェッス巡査部長もいいキャラしてる。
文体上もストーリー上もカオスでエネルギッシュでふざけていて、フランス語とはいえ自分の好きなラテンアメリカ文学には変わりないなぁ、と思う。ドタバタ劇として、少なくとも『巨匠とマルガリータ』よりは好み。
3/13月 〜p.124
強さ議論できそうなくらい血の気の多いキャラとバトル描写が多い
うわあ ドゥードゥー死んじゃった! 読む気失せるわ〜〜
3/14火 ~p.168
第四章
3/15水 ~p.229
コンゴらへの警官たちの拷問描写がふつうに凄惨でキツイっ! ドゥードゥーも殺されてしまったとはいえ、彼女はかなり対等にバトっていたからそんなにむごさはなかったんだけど、老男が一方的に蹂躙されるのは可哀そうだよぉ・・・
けっきょく、刑事事件のミステリー風味のリアリズムが、マルティニーク(クレオール)の魔術性にぎゃふんと言わせられる物語として要約できてしまうのかなぁ。それにしては、ミステリー側の息がしぶとくて、おまけに数名のネグは殺されてしまったので、マジックリアリズム側もけっこう損害を被ってはいるが。でもペロン警部がソリボのマニフィークさ(偉大さ)を認めて惚れ込んだという顛末には、やはり単純な図式を読み取ってしまう。
・口上の後に──記憶の書
おわり!!!
いやはや・・・この、最終章、最後の15ページが本番であり、このための作品だったとは。とはいえ、さすがに完全についていけたとは到底いえず、振り落とされそうになった。(集中が切れそうになった) 聴衆とのコール&レスポンスで進んでいく語り好き。
訳者解説もよかった。日本翻訳大賞としてこれほど相応しいものがあるだろうか、感。翻訳不可能であるがゆえに、「このテキストこそが、最も翻訳可能なテキストなのかもしれない」という論にも感動した。
解説を読んで改めて、たしかに、↑で書いたような、推理小説vsマジックリアリズム なんていう安易な図式には収まらない作品であった。今ようやく気づいたけど、警察の「調書」から始まっているのは、「書かれた言葉」の最たるものだからなのだな。
つまり、「語られた言葉」と「書きとめられた言葉」のあわいでもがき続けることが主題の本作において、口承文学の担い手ソリボと対になる、書かれた言葉(=社会制度)の体現者として「警察」が重要な位置を占める必要があり、そうした要請によって本書は推理小説の枠組みをとることになった、ということか。
