アメリカ文学

『ヴァインランド』(7)トマス・ピンチョン

hiddenstairs.hatenablog.com やや時間が空いてしまいましたが、12章をやっと読みました。 12章 (pp.315-383) <あらすじ> (フレネシに撃たれて?)サナトイドとなったウィード・アートマンの遍歴 84年、カリフォルニアの北の奥にある心霊スポット〈ブラ…

『ヴァインランド』(6)トマス・ピンチョン

hiddenstairs.hatenablog.com つづき 10章と11章を読んだ。 10章 (pp.279-295) 〈秒速24コマ〉の回想・フレネシとブロックの出会い <あらすじ要約>プレーリー、タケシ、DLの3人はLAの高層ビルに入っているタケシの探偵事務所へたどり着く。そこで〈秒速2…

『ヴァインランド』(5)トマス・ピンチョン

hiddenstairs.hatenablog.com の続き 9章 (pp.189-278) DLがタケシ・フミモタと出会って相棒になるまでの話 <あらすじ要約> 彼女らを出会わせたのは例の富豪ラルフだった。日本で身に着けた忍術で幼くして格闘会のスターとなっていたDLに惚れ込んだラル…

「天地創造」ドン・デリーロ(『天使エスメラルダ』収録)

天使エスメラルダ: 9つの物語 作者:ドン デリーロ 発売日: 2013/05/31 メディア: 単行本 今読んでいる数冊の小説をバッグに入れ忘れたので、目の前にあった『天使エスメラルダ:9つの物語』を手に取り、冒頭の1編を読んだ。 ・天地創造 ("Creation" 1979年…

『ヴァインランド』(4)トマス・ピンチョン

前回↓のつづき hiddenstairs.hatenablog.com 6, 7, 8章まで読んだ。 6章(pp.102-134) プレーリーの母フレネシの現在の話と、彼女の両親サーシャ/ハブ、それから母方の祖母ユーラ/祖父ジェスの代まで遡る人生記 フレネシがいかに密告まみれの政治的環境(共…

「くじ」「背教者」シャーリイ・ジャクスン

akosmismus.hatenadiary.com 色んなところで「くじ」の名を聞いていたが、信頼している読書家が「完璧な短篇小説」と書いていたのが決め手となり、早川書房の異色作家短篇集シリーズの「くじ」を借りてきた。が、こちらのサイトで手軽に読めたらしい。 異色…

『ヴァインランド』(3)トマス・ピンチョン

hiddenstairs.hatenablog.com 続き 4章・5章まで(約100ページまで)読んだ。 https://vineland.pynchonwiki.com/wiki/index.php?title=Chapter_4 ヴァインランドwiki 4章 pp.54-83 なんとか借りられたのが「リトル・ハスラー」の異名をもつダットサンの小型…

『ヴァインランド』(2)トマス・ピンチョン

hiddenstairs.hatenablog.com ↑の続き 2章と3章を読んだ。(p.53まで) https://vineland.pynchonwiki.com/wiki/index.php?title=Chapter_2 ヴァインランドwiki, chapter 2 2章 毎年の恒例行事としてメディアに報じられてるのか…思ってたよりずっと大規模な…

『ヴァインランド』(1)トマス・ピンチョン

『V.』でピンチョンデビューしてから、『競売ナンバー49の叫び』, 『重力の虹』, 『スローラーナー』と出版順に読んできてるので、とうぜん次は本書。 しかし来月にはいよいよ『ブリーディング・エッジ』が出版されるらしいし、それまでに読み終えられる気が…

「黄金の少年、エメラルドの少女」イーユン・リー

黄金の少年、エメラルドの少女 (河出文庫) 作者:イーユン リー 発売日: 2016/02/08 メディア: 文庫 本書の最後を飾っている表題作「黄金の少年、エメラルドの少女」を読んだ。 20ページ強の短編 彼は母親だけの手で育てられた。同じように、彼女は父親だけの…

「彼みたいな男」「獄」イーユン・リー

イーユン・リー『黄金の少年、エメラルドの少女』のうち「彼みたいな男」「獄」の2編を読んだ。 ・彼みたいな男 娘が節足動物になったかのように蠍を描いてもよかったのだが、そういうことをすると彼の道徳基準を下回ってしまう。言葉であれどんな形であれ女…

「優しさ」イーユン・リー

黄金の少年、エメラルドの少女 (河出文庫) 作者:イーユン リー 発売日: 2016/02/08 メディア: 文庫 河出文庫から出ているイーユン・リー『黄金の少年、エメラルドの少女』の最初の短編「優しさ」を読んだ。 本作を読むきっかけは、以下のツイートだ。 イーユ…

『ボディ・アーティスト』ドン・デリーロ

上岡伸雄 訳(ちくま文庫 )で読んだ。 初デリーロはこれと決めて昨年の11月に読み始めたが序盤で放置しており、ちょうど本作でオンライン読書会が開かれるということで数時間前に読み終えた。 付箋を貼った文を引用しながら読んでいる最中に思ったメモを記…

「ガイジン」「こんなところで死にたくない」ラッタウット・ラープチャルーンサップ

タイの作家ラープチャルーンサップの短編集『観光』から、気分で2編選んで読んだ。 ○ガイジン 典型的なボーイミーツガールの骨格に、タイの観光小島の風景や混血児の葛藤が織り込まれている良作。 シンプルに良い。この短編集ってもしかしたら初めて読む海外…

『幽霊たち』ポール・オースター

130ページの中編だが一週間以上かかって読み終えた。 少なくとも今の自分にとっては面白くない。そこそこだった『ガラスの街』よりも更に面白くない。 こうした、いかにもなポストモダン小説、ミステリの構造をあざ笑うかのような作品はむしろ好きなはずだの…

『スロー・ラーナー』トマス・ピンチョン

○イントロダクション ピンチョン本人の語りは初めて読んだけどやっぱり小説と同じノリで面白い。自虐がバンバン決まるし結局エモに傾いちゃうし。そんなところが好きよ 小説は作者の人生経験の結晶であり、それを無視していた若かりし頃の自分は馬鹿だった的…

「息吹」テッド・チャン

短編集『息吹』に収録されている表題作「息吹」のみ読んだ。 ○息吹 「僕がなぜSFを好きになれないか」という懸案について多くの洞察が得られたという点においてのみ、読んで良かったと思う。 僕が本を読むときには、大きく分けて2つのモードを半ば無意識に使…

『十二月の十日』ジョージ・ソーンダーズ

○ビクトリー・ラン クジラックスの「がいがぁかうんたぁ」小説。未遂で良かったね。 3人の視点が次々に切り替わり、しかもそれぞれのパートで一人称と三人称が混ざっている。 最後は未遂だったとしてもトラウマは残るよってこと? にしてもこのポップな独白…