2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「優しさ」イーユン・リー

黄金の少年、エメラルドの少女 (河出文庫) 作者:イーユン リー 発売日: 2016/02/08 メディア: 文庫 河出文庫から出ているイーユン・リー『黄金の少年、エメラルドの少女』の最初の短編「優しさ」を読んだ。 本作を読むきっかけは、以下のツイートだ。 イーユ…

『推し、燃ゆ』宇佐見りん

読む前から薄々わかってはいたが、案の定じぶんがいちばん苦手なタイプの小説だった。所謂「現代の若者の感性を生々しく描く」系で、表現したいことが(全体を通しても、場面場面でも)わかり易く、それをお行儀よくこなせている優等生純文学。時代の要請で…

『コレラの時代の愛』(1)ガブリエル・ガルシア=マルケス

コレラの時代の愛 作者:ガブリエル・ガルシア=マルケス 発売日: 2006/10/28 メディア: 単行本 なんか気分で借りて読み始めた。もともと読みたいとは思っていた。 大滝瓶太さんの好きな海外作家15人noteの1位でこれが紹介されてるのを久しぶりに読み返したの…

『旅する練習』乗代雄介

Twitterで「生き方の問題」を激推ししている人を見かけて文芸誌で読んでから、私のなかで乗代雄介はそこそこ興味のある作家になり、芥川賞候補になった次作「最高の任務」も読んだ。 興味があると言っても、2作ともめちゃくちゃ好きなわけではなく、好きな点…

『やし酒飲み』エイモス・チュツオーラ

尊敬する読書家の知り合いが「やっぱり『やし酒飲み』みたいな小説の語りが最強だよ」的なことを言っているのを聞き、翌日図書館で単行本版を手に取り、すぐにこれはとんでもない作品だと確信したため生協で岩波文庫版を買った。 わたしは、十になった子供の…

「蟹」庄野潤三

2/26 庄野潤三「蟹」を読んだ。 海辺の宿にバカンスに行く5人家族の話。 語りの視点?がふわふわしている。対象に目を向ける(描写する)順番の独特さというか。「〜したり、〜したり」といった反復・並列の言い回しが心なしが多い気がする。蟹の「往きつ戻…

「ナチュラル・ウーマン」松浦理英子

河出文庫の松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』に入っている3つの作品のうち、表題作だけを読んだ。 1なんだか少女マンガか、女性作家のサブカル青年漫画でありそうな雰囲気の話だなぁとしか思わない。男の人に心を寄せられない私が出会った「運命の人」……!…

『最愛の子ども』松浦理英子

知り合いから「松浦理英子の『ナチュラル・ウーマン』は大傑作だから是非とも読んでほしい」と薦められ、そのときちょうど出張をしていたので地域の本屋を探して入店した。それほど大きな書店ではなく、敷地面積の半分はCDやDVDに占められているような店だっ…