チリ文学

『閉ざされた扉』ホセ・ドノソ

2023/9/14~22(5日間) 9/14木 朝 休暇 不倫する父親、それに嫉妬して精神を病む母親、両親の不仲を鋭敏に感じとる息子、退廃的で不穏な家族……初っ端からめちゃくちゃドノソ的な短編。荒廃した建物というモチーフも明らかに家族の崩壊と連関している。 上流…

『別荘』ホセ・ドノソ

「わからない、わからないわ。その話には分厚いベールを掛けておきましょう」(p.60) 現代企画室から、ラテアメ邦訳界のシバニャンこと寺尾隆吉氏による翻訳で出ているホセ・ドノソ『別荘』を読んだ。550ページ、鈍器と呼べる小説を最後まで読み切れたのは…

『エバ・ルーナのお話』(1)イサベル・アジェンデ

エバ・ルーナのお話 (文学の冒険シリーズ) 作者:イサベル アジェンデ 国書刊行会 Amazon これまでに読んだアジェンデは、岩波文庫『20世紀ラテンアメリカ傑作選』に入っていた「ワリマイ」のみ。 『精霊たちの家』に挑む前に、こちらの短篇集に手を出してし…