『”文学少女”と死にたがりの道化』野村美月(2006)

 

 

・経緯

わたしはこれまでの人生でほとんどラノベを読んでこなかった側の人間だが、2年くらい前に、ふとしたノリで、気になっていたラノベシリーズを中古でまとめ買いしたことがある。

購入したのは「俺ガイル」「"文学少女"シリーズ」「ココロコネクト」の3シリーズであり、そのときは揃えて満足してしまったので長年本棚の肥やしになっていた。

この度、アニメ『さくら荘のペットな彼女』を観て、やっぱりラノベの青春モノって合わねぇな~~と感じたが、「いや、ほんとにそうなのか? ちゃんとラノベそのものを読んで確かめるべきでは?」とも思った。そうして、積んでいた中から、"文学少女"シリーズの1巻を手に取ったのである……

 

 

 

2025/4/17(木)夜
4/18(金)

4章まで。不可解な謎を巡るおはなしがシンプルに面白い。『人間失格』をオマージュして、手記と恋文をモチーフにしたサスペンス・ミステリを構成するセンス。今の後輩の恋と、10年前の弓道部絡みの悲劇、そして心葉のトラウマが交錯していくスリリングな展開は読ませる。

語り手の心葉が中学時代に大ベストセラー作家になったという冒頭の設定には面食らったが、今のところそんなに直接、物語に関わってきておらず、作品の根底を諧謔で固める効果のある設定として位置付けられるのかもしれない。

本を食べちゃう遠子先輩のキャラは想定よりずっとコミカルではっちゃけていた。おもしれーなんとやら。ハルヒの影響? 冷静に考えると、本を食べることより、それ以外を食べても味が分からない設定のほうが非現実的でヤバそうだ。
先輩のデッサンシーン官能的でした。

クラスメイトのこわいギャル?のひとからすごく魅力的なヒロインの風格が漂ってくるのですが。わたし気になります!

 

p.176
10年前の弓道部OB,OGたちの事件の真相、ドロッドロの五角関係で草 何してんねん…… とばっちりで轢かれた咲子さんが可哀想ですね。

自分たちの愚かさでひとを殺した共犯者として、子供を持つ夫婦で地獄を生きていくことが贖罪…… あっそうですか。子供が可哀想ですね(※注意! 子供を生み出す行為は普遍的に悪であり生まれてくる子供は可哀想です! by反生殖主義者)

にしても、学園青春ラブコメ?とは思えないほど重々しい血みどろのお話になっているなぁ。まあ文学のなかでも太宰をチョイスした時点で仕方ないか。その道化的な重苦しさとは裏腹にコメディとして上質である、という特徴までオマージュしようとしている、とも読めるし。

ぼくとたったひとつしか違わない遠子先輩に、答えを求めるのは、ぼくの甘えだった。 p.193

そうですね。自覚できてえらい

 


おわり!!!

2段階のどんでん返しで、真に向き合うべき、救うべき現在の対象が明らかになる。クライマックスはファイト一発の熱血展開。とてもアツい、生と文学への愛に溢れた作品でした。こういうのを読んでいたく感動して、文学の道を歩み出す中高生はたくさんいるのだろう。私はもう、凡庸なハナシだなぁと冷えた目で読み終えることしかできない枯れた大人だが……。

遠子先輩ふつうに萌えではあるが、本を喰う設定が異常なだけで、内面はわりかし常識人というか、文学愛に溢れた良い人でしかないので残念だとも終盤で感じた。アニメ版のCV花澤香菜なのは確かに合いそう👍

琴吹ななせさんが好みそうな雰囲気だけビンビンに感じているが、さりとて続きを読みたいかといえばそんなこともなく…… いちおう全巻すでに手元にありはするが。。 シリーズ最終作がジッド『狭き門』テーマらしいので、狭き門を読むモチベは上がった。ありがとうございます。

 

 

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