『消える総生島』はやみねかおる(1995)

 

 

ネタバレ注意!!!!!!

 

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次巻です。

 

本書は、小学生のときに、ミステリで初めて、読んでいる最中にトリックをあるていど当てることができた1冊として、ひじょ~に思い出深い本です。もちろん真相ぜんぶを推理できたわけではないし、推理もロジカルなものではなく、タイトルから察した、というものでしたが…… こうしてウン十年経った今でも、そのことだけは鮮烈に覚えています。

 

 

2025/4/2〜9
3日間

 

4/2
4/8(火) p.23〜

序章の短編で密室モノを扱い、建物が移動するトリックを提示して本編の伏線を張っている。
また、島になった双子鬼の伝説から、最初から島がふたつあることが分かりやす過ぎるのではないか……

映画のイメージガールに選ばれた三姉妹。どういうリアリティラインなんだ。

惨劇が起こるクローズドミステリーっぽい状況にどんどんとなっていくことを、あらかじめ振ってから落とすことでコメディに仕立て上げるのがうまい。あと教授がすべてをコミカルにしてくれる安心感がある。さすが名探偵!

謎のフランス人アーティスト女性?に近づこうとしてドン引かれる教授。夢水に「女好き」っぽい面あったんだなぁと、毎巻を読み返すたびに思う。

 

4/9(水) p.118〜

kenkyuyoroku.blog84.fc2.com

教授が福永武彦全集の5巻を読んでる! どうやら探偵推理モノが収録されてる巻っぽい?

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一冊まるごと映画仕立てにしている割に、実際に映画撮影をやっているシーンは少なく、あんまり印象に残らない。鬼の起こす怪奇連続消失事件に完全に紙幅を取られている。その証拠の一つに、こうして再読するまで、映画撮影のために離島に来たのだというあらすじをすっかり忘れていた。

てか、なんなら鬼の存在も忘れていた。ただ山や館や島が消えるということだけ鮮明に覚えていた。

まぁもちろん、謎解きで、一連の事件そのものが映画のシナリオ通りのシーンだったことが明かされるわけだが……

あと、執事の波虎さんの戦争体験語りによる反戦テーマもなんなんだ。なにも覚えてなかった。

「謎だけをしぜんにとるために」撮影スタッフには一切を伏せていたと監督は言うけれど、それっていちばん映画を舐めてないか? 要するに、本作の核心は、映画への愛というより、ミステリへの愛、ロマンチシズムにあるのだろう。謎の神聖さをいかに創造して保つか、というフェティシズム

霧越館での教授の部屋のなかに散らばった物たちをやけに執拗に何度も描写するなぁ伏線か?と思ったが、なにもなかった。でも、ミステリに回収されないそういうところに文学の余剰、面白みが滲み出ている。バロック的、とかっこつけて言ってみたいが、バロック文学がなにか知らない。

けっきょくソフィーさんはなんだったんだ。ブラフ?
シャンデリアと池村さんの船酔いの伏線は良かった。

グランドエンディング、これ九マイルものオマージュじゃん!! 「五円玉十枚じゃ多すぎる。九枚がちょうどいい。」て……

中学生の娘3人を置いて旅行しまくり、子どもに家の雑事をすべて押し付ける両親ヤバすぎる……現代なら児童虐待・ネグレクト・毒親だなんだと言われてるところだぞ


エピローグおわり!
そういうことか…… 鮮やかな多重解決モノだ。参りました。
まぁ、ヒットした映画のロケ地ということなら、レアメタル鉱山が無価値な山に変わるどころか、ますます世間の注目を集めてしまいそうだけど。
国に戦争責任を問う代わりに、脱税というかたちで国に復讐をしていた。最後にすげぇスケールのデカい話になった。しかもアナーキーな。無人島が舞台なのってそういう……

教授、戦争を知らない世代ではあるのね。じゃあだいたい五十路よりは若いのが確定と。

教授の忘れっぽさが、最後に見事に一捻り効いて格好良く提示されるの痺れる〜〜

 

 

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