『赤村崎葵子の分析はデタラメ 続』十階堂一系(2013)

 

 

 

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つづきです

 


※ネタバレ注意!!!!!

 

 

2025/1/21~26
計3日間

 

 


1/21(火)
1/22(水)

分析1

あいだに一般文芸を挟んでから続編読むと、ラノベ特有の文体のキツさが余計に感じられる……

あ、チャットルームがWillhelmから三雫に変わってる!

推理に関してはまぁ文句ないかな どうせ後からほじくり返されるのだろうけど。

カモトキ君にスエとかいう同い年の幼馴染女子が生えてきた。幼馴染の猫耳メイド服姿やパンチラに素直に悦ぶ男主人公仕草がラノベらしさということなのだろう。テルの着替えを覗く定番スケベハプニングでも内心ドキドキしているし。テルが無表情で堂々としてるのは良かった(内心はお互い様な気がするが)。

 

 


1/26(日)

分析2

あっ、表紙のテルが着てるの浴衣だったの!? お化けのコスプレかと……w
迷子案内で自分の名前を伝えてしまって館内アナウンスされて恥ずかしさに悶えるテルかわいいなw こういう天然というかおっちょこちょいで可愛げがあるの良い

三雫さん可愛すぎる。圧倒的なメインヒロインの風格

 

えっ、スエもトキオのことを好きなの? 片想い幼馴染枠!?

単純な真相だった。フーダニットからホワイダニットで片想いロマンスに収束させる青春ミステリの定石。

 

ますますハーレムものになっていくなぁ。といっても、めぐるちゃんは別にカモトキに惚れる雰囲気もなくマイペースだし、妹は好きな同級生男子と夏祭りデートまでこぎつけてて順調で微笑ましいし、三雫さんだってカモトキのことが好きなのかと考えると微妙なので、そんなに総愛されってわけではないラブコメの範疇か。

 

 


分析3

神田なつみさんじゃないか! 前巻でトミノの財布を盗んだ、トミノのことが好きだという神田なつみさん!

分析ゲームと称して、それこそウミガメのスープ……というより20の扉やアキネーターみたいなこと始めた。開いた質問OKだけど。なつみさんトミノのことグイグイ訊くじゃん……
てか挿絵の神田なつみさんめっちゃ美人やな。好きです

出題者に嫌われないよう、あまりに直接解答に迫る質問はしにくい、という付帯ルールがあるのが興味深い。

バストサイズを果物で喩えるセクハラ思考が、推理ゲームで異なる意味に解釈されて機能する。

りんごで直接殴るのかと思った。こういうナイフ類って病院側で用意してくれるのかな。てかどこかのボンボンショコラを思い出すなあ
未完成=蜜柑星!
カモトキくんの暴力性の話に行き着くのか。そういや元はこっちも見舞いに来てたんだった。

お〜今度はカモトキ側の見舞いをテルが推理するのか。すごい構成
前巻のカモトキの暴力性云々というテルの推理やっぱ間違いだったと認めるんだ。すげぇフレキシブルな作品だな。

おお、スエの妹とカモトキが知り合いじゃなさそうなのって伏線だったのか。じゃあスエと幼馴染だけど現在家は離れたところにあるっぽいのもそうかな。

お〜……こうして、一巻の最初のエピソードの、妹と一緒に下校するのを持ちかけられた件が新しい意味を持ってくるわけか。

そしてテルがカモトキの今いる病院に来れた理由まで繋げる。なんだかすごい芸術的に構成されたものを見ているぞ、これは。

神田なつみが父親を入院させて見舞いに来ていたらしいのに対して、加茂トキオは母親を入院されて見舞いに来ていた…… 2年前の事件以来、ほぼ会ってないってこと?

ライトノベルで男子主人公と「母」との関係に焦点を当てるのって珍しい気がするけど、そうでもないのかな。だいたいラノベの男子主人公って両親不在の家にひとり暮らししてるから……折木ほーたろーとか……。そういうお約束を逆手に取った設定と展開とも言えるのか。

章末にチャットルームが無いのは初。そのままなだれ込むように最終章へ。

 


分析4

夏のじめじめした暑さが不快で嫌いだという語りから小説が始まってたのも伏線か〜
でも、1巻の時点でカモトキの過去の事件の具体的な内容は決まっていたのかな。ならスエの初登場がこの2巻というのは不自然なのでは。

これは、母と息子の "再会" と "和解" が感動的に描かれて幕を閉じるのだろうか。それとも、よりほろ苦いかんじ? 若者に苦味を与える青春ミステリでも、それが学校の人間関係とかじゃなくて親子関係なことあるんだ。

スエの幼馴染ポイントがどんどん高まってゆく〜 続刊で生えてきた幼馴染ヒロインて。でもそれにさえ必然的な理由が用意されてそうでこわい。

自罰感・罪悪感を抱えた男主人公。……ラノベっていうか、エロゲっぽい。うだるような暑さとかも含めて、『CARNIVAL』とか『すばひび』とかそのへんの。あれだ、叙述トリックというか、物語の終盤まで語り手たる主人公が、読者に開示しない秘密を持っている(それが終盤で明かされて一気にクライマックスとなる)構造がエロゲっぽいんだ。もっと普遍的なものかもしれんけど。→「ノベルゲームのファンタズマゴリア」?

てか1巻ではあまり感じなかったけど文章うまいっすね。台詞回しも地の文の情景描写も。
ラノベの作法として流し読んでいたハイテンションなボケツッコミのコメディ調も、暗いものを秘めたカモトキの演技というか、必死の抑圧による躁状態みたいに解釈できるのか。
エロゲだったら、本当に親を殺していたりしてもおかしくないが、これはラノベなので、引っ張ったわりにはカモトキくんは全然悪くなかった。むしろ被害者だった。本人が加害者だと思ってしまっているだけの。

少年・青年が母と向き合うこと。多くのラノベの男主人公が逃げてきた──かどうかは知らないが、少なくとも北原春希は逃げていたこと。

 

めっちゃ感動的だなあ 泣きアニメ観てるみたいだ

p.250 カモトキにかける言葉が見つからなくて「ゴメン」「逃げてた」と素直に言えるテルいいなぁ。三雫さんは本編ではどこまでもかっこいい名探偵だけど、いつもカモトキくんのいちばん近くにいる "相棒" にして "親友" はテルなんだなぁ。いいなぁこいつらの関係。

そしてテルは最初にして最後の「デタラメな分析」をはじめる。大事なのは想像力。
なるほど。こんなささいな、しょうもないことが真相であったこと自体に推理者が涙を流す。目の前の大切な人を想って。

 

お〜 ちょっと泣きそうになった(泣いてはいない) だから病院という舞台設定か。
それが本当に正しい真相かどうか、はあまり重要ではない。それを分析して想像して、心から信じて相手に伝えるために語ること。この作品における「推理」の真髄をみた。いいですね。好きなミステリ。

 

 

 

裏分析

わーい! 今回は三雫さんが担当だ〜!

なんだか神田さんがストーカーめいた同性愛者だからって、いたずらに「イカレ女」だと扱っていて、異性愛主義の同性愛差別を感じる。まぁ実父を見舞いと装って刺殺しようとしていたのならヤバいんだけど。

てか、お化け装束に見える浴衣姿の表紙絵じたいが伏線だったのか。今気付いた。「見間違い」が肝。

あ〜そうか、妹を驚かせるための肝試しだったのか。だから妹に罪悪感を少しでも感じさせないために必死で守っていた、と。……じゃあ全てを知った上で息子に罪悪感を持たせたまま家から出した父親酷くない?

えっ、三雫さん「メインヒロイン」志望というか自認してるんだ……。三雫さんカモトキのこと好きなん?

三雫さんもキャラ崩壊というか素を曝け出して自壊してくのワロタ。
・・・けっきょくまた自分の好きなキャラは「負けヒロイン」枠かよぉ!!
でも、カモトキ・テル・三雫の珍しい三角関係好きだよ。

 

 


面白かった。これでシリーズ完結ってことか。

確かにメインの登場人物の過去に関わる謎は扱い終わったけど、だからこそラノベ特有の引き延ばしであとはお気楽なラブコメミステリをいくらでも続けられそうな気もするのに勿体ない。

でもミステリの完成度を追求するのなら、ここで終わるのがいいのだろうな。
推理はどうしても厳密にはなり得ない、というミステリの根本的な性質を、ラノベの「軽さ」と見事に組み合わせてまとめていた。ラノベミステリの名作。

 

 

 

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メディアワークス文庫で続編?が刊行されてることを知った!