『ヴァインランド』(5)トマス・ピンチョン

 

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の続き

 

 

9章 (pp.189-278)

 

DLがタケシ・フミモタと出会って相棒になるまでの話

 

<あらすじ要約>

彼女らを出会わせたのは例の富豪ラルフだった。日本で身に着けた忍術で幼くして格闘会のスターとなっていたDLに惚れ込んだラルフは、彼女がブロック・ヴォンドを恨んでいると知り、目的は同じだとして彼女を雇うためにオレゴン州のカフェで接触

しかしトラブルを避けたいDLは彼から逃げてオハイオ州コロンバスへ。そこで闇稼業から足を洗い、凡庸な女性の人生を歩もうと会社勤めを始めるが、ある日〈ピザハット〉の駐車場で誘拐され日本に連行され、性奴隷オークションにかけられることに。しかし彼女を高額で落札したのはラルフだった。

説得され、ヴォンド暗殺計画に協力することに決める。ヴォンドの愛人(であり自分の親友)フレネシになりきるメイクをDLはさせられる。狙うは国際検察シンポジウムのため彼がヒルトン東京に滞在しているとき。娼婦になりすまして〈忍法一年殺し〉(ニンジャ・デス・タッチ)をお見舞いする計画。

 

一方、フリーランス保険業界員として、タケシ・フミモタは〈ワワヅメ生命&非生命〉のビルを跡形もなく踏み潰した謎の巨大足跡の現場調査に。そこで旧友の爆弾処理オタク、ミノルと再会し、2人は大企業〈チプコ〉のヘリと東海道新幹線で東京へ。

足跡の件の陰謀調査のためヒルトン東京へ潜入。ミノルとはぐれたタケシは裏口でブロック・ヴォンドと初対面。車で攫われ、彼の身代わりの囮役として風俗〈春のデパート〉の地下室へ行かされる。そこにいたのはDL、しかし度の合わないカラコンをしていた彼女はタケシをブロックだと勘違いしたまま〈一年殺し〉をお見舞いしてしまう。人違いだと気付いたときには後の祭り、任務失敗でショックを受けたDLは〈くノ一求道会〉へ逃げ帰る。一年後に死を定められてしまい絶望するタケシは、ラルフの助言により、直してもらうためにDLを追って〈くノ一求道会〉へ赴く。

 

諸々を聞いた求道会のシスターは、罰としてDLとタケシは一年間共に行動するよう命ずる。会の装置パンキュトロンで治療を受けたタケシは、DLと共に下界へ追放される。ドライブスルーできなかったステーキ屋で〈サナトイド〉のオーソ・ボブと出会い、彼らの住むシェード・クリークで2人は〈カルマ調整クリニック〉を始めたのだった……

 


・・・・・・エピソードの密度が!!!濃い!!!!!
あいだにひっきりなしに挟まる癖の強すぎるプチ・エピソードを全部省いてこれだよ!!!!



〈読中メモ&引用〉

 

ん? DLはフレネシと出会った後の話なんだ。映画サークル〈秒速24コマ〉はどうなったんだ? あのあとフレネシはヴォンドと共にDLの前から去った? 時系列がようわからん。

 

〈ワワヅメ生命&非生命〉:ふざけた名前で草
その取締役ワワヅメ教授はフミモタのかつての恩師

 

ゴジラ(の足跡)でてきた!!!!!!!

 

陰の世界に君臨する巨大マルチ企業〈チプコ〉:これまたピンチョンらしいラスボスっぽい企業が出てきた。

 

東海道新幹線に自前の駅とか草 東京まで3時間弱って結構遠いな

 

ミノル:タケシの顔なじみの爆弾処理スペシャリスト

 

自分たちには手の届かない、高い高い場所で惑星サイズの抗争が年を越えて続いている。権力は集積し、命はその価値を下落させ、人事は入れ替わる──そういうことがかつてのギャング戦争や血族間の争いと同じルールで行われながら、規模だけは地球全体を巻き込むまでになってきている。 pp.212-213

ピンチョン作品の世界観を端的に言い表している

 

長年の保険マン人生の中で、保険金計算の数値が深遠な謎をたたえて動くのを見てきたタケシは、徴しと兆し、の彼方からのお告げ(メッセージ)というものに価値を置き、それらを求めて世の中を見つめる習慣を身につけていた。 p.214

「い(shi)」音でめっちゃ韻踏んでない? 「「徴しと兆し、の彼方からのメッセージ」なんてわざわざルビ振ってるし。
原文はどうなんだろう


タケシは保険会社勤め→フリーランスだったのね。忍者じゃなくて。

 

そろそろ、読み終えたページ数が溜まってきて、本を机に開いた状態のまま置いておけるようになった。

 

「セックスのところは、やっぱり飛ばしましょうかね」
「そう、まだ子供だから」DLが同意する。
「あなたたちぃ!」プレーリーが抗議する。
「それではモロにいきましょう──プラスチックの固くて滑らかな縁を指先でいじくっていたぼくは──震える手で──スロットにカードを差し入れたのですよ。すると──かすかな鳴き声みたいなのを立てて、その穴は──指からカードを吸い取って……」 p.217


プレーリーかわいい。タケシとDLの息の合い方がヤバい

 

どこかで時を告げるチャイムが聞こえる。古来の呼び名で、酉(コック)の刻だ。「堅茎(コック)の時とは意味深長ですねえ」と後にタケシは、話がこれに触れるたびコミカルな口調で言い添えて、いつもDLに睨まれるのだった。 p.219

原文は "cock" でおんどりとペニスを掛けているのだろうけど、日本語訳だと更に「刻(コク)」にも掛かっちゃうのが面白い
翻訳の妙

 


売春クラブ〈春のデパート〉にて度の合っていないカラコンをつけたDLは囮のタケシを見抜けずにヴォンド暗殺失敗

娼館×人の取り違えといえば『重力の虹』の後半でそんなエピソードあったような。海岸沿いに建つスゴい娼館と、スロースロップと間違えて敵キャラが捉えられ性器を切除されるくだり。

 

人はよく彼をお調子者と評するが、その真の原因は化学物質の分子組成にあったのかもしれない。 p.228

これも『V.』『重力の虹』でさんざん書いてきたピンチョンあるある。人体が物質的に還元されていくことの諦観と絶望


ミチコ・ヨママ:タケシの元妻。映画女優。出演したTVドラマ「脱線てんぷくベビーちゃん」はアメリカでも大人気
ミチコ・ヨママ・・・ww いいねぇ、外国人が頑張って考えたそれっぽい日本人の名前感が素晴らしい。タケシ・フミモタといい、ワワヅメ教授といい……

 

ゾイドといいタケシといい、くたびれた中年男性たちの物語でもあるよなぁ……

 

「あっそう」 男はムッと口を閉ざして、眉をしかめ、手にしたゲーム機に戻っていった。それはセックスと原爆の要素を組み入れた「陰核爆弾」という名のものであったけれども、サウンドチップが初期の安物のため、オルガズムに達したときも、薄っぺらな高音が、息が詰まったみたいにブツ切れになって聞えるだけ。爆発のほうはもっとみじめで、その瞬間、シャーというホワイトノイズが弱々しく響くだけ。 p.231

こういうポップカルチャーに皮肉とブラックジョークを振りかけて何気ない描写に組み込んでくるのほんとすき

 

この人、トーキョーで鉢合わせしてからずっと、逃げたあたしを求め続けてきたんだ、と。でも、これほどまでに自分に対して欲情する事情に関して、あの晩以上に理解が進んだわけではない。空を仰いで彼女は言った。「あんた、気が狂ってんのお?(ユー ファッキング・クレイジー)」「きみのお役に、このぼくが立つといいなと思いましてね、やってきたのですよ、ソバカスさん!」 pp.235-236

名シーン
DLとタケシ、ラブコメ少年マンガみたいな男女バディ関係だなぁ
アメリカ人くノ一と日本人保険員、1年後に死ぬ術を男に施してしまうが実は人違い、その責任を負って相棒になる──

『ダンダダン』の2人にちょっと似てるかも。男側が弱くて小さいところとか。

 

 

ヘイ、ドスケベ・ジャップ! (p.239)

セクハラしまくるのも少年漫画っぽい(それに女性側が制裁するいつもの構図)

 

──後にDLは、ことあるごとにタケシに向かって「あんたなんか、あのままパンキュトロンにかけっぱなしにしとくんだった」と叫んだのだが、この罵り言葉をあまりちょくちょく使ったもので、親しみの表現になってしまった。 p.239

 

シスターは、肩ではなく眉だけをすくめて、「原罪は犯さないこと。あの子があるがままに生きられるよう、お願いしますよ」。
そう言われてもねぇ、おばさん、当事者になると、キツいんだよねえ、と彼が無言でつぶやいたのは、もうロシェルが部屋を出ていった、いや、タケシが館を出ていった、いや、さらにそのあと、求道会の建物が視界から失われ、モミの林の上に見える峰自体がカリフォルニア海岸の雲の向こうに消えてからのことだった。 p.241

ここのスピード感ヤバ
映画的なカット演出にも一見思えるが、「〜〜した、いや、さらにそのあと、」という重ね塗りの手法は小説ならでは。

 

レンタルのファイアーバードでフリーウェイを飛ばしながらタケシもDLも感慨深そうだ。ふたりだけというのは東京のあの部屋以来である。
DLが運転席に顔を向けた。「これ、殺された代償なんだから。ご命令は何かしら?」
タケシはしばし考えて、「思いつかないなあ。ノー・セックスって条件だったしなあ」。
DLはすばやく、「あたしの気持ちも察してよね。あんたとさ、一年もだって」。
この先続いていく言い合いの、最初のジャブの一発である。ややあって、「じゃあ、こうしましょう。きみの好きなバス乗り場に連れてって、お山ん中への片道切符を買ってあげる。どうですか?」 pp.241-242

絵に描いたようなケンカップル。DL×タケシ尊い……

 

ワワヅメ教授との通話。東京ではぐれたミノルは行方不明。彼を始末した(であろう)連中は教授の采配でタケシ達を追っているとか。やっぱチプコが黒幕っぽいな


オーソ・ボブ・デュラーン:ヒッチハイカーかつサナトイド(『死んでいる、みたいで、ちょっと違う』ピンチョンの造語。旧訳では「シンデルロ」だったらしい) ボブ・ディランとは無関係?

またヤンデルレン(全病連)みたいな造語か。

 

ボブを車に乗せて彼の住処、ヴァインランド群のシェード・クリーク(御影川)へ。なんだかゾイドのほうと繋がりそうだぞ

そこで2人は〈カルマ調整クリニック〉としてサナトイドの面々の身の上話を聞く商売を始める。

 

え、サナトイドってマジで半分死んでる幽霊みたいな存在なの!? 比喩ではなく?
過去作で降霊会とか散々やってたけど……

 

一瞬の静寂。殺戮潜水艦〈アンスピーカブル〉号が、陽に照らされた静かな海でひょこんと潜望鏡を上げ、おっと自分は愛のボートではなかったと確認したのち、海の底へふたたび潜るみたいな、そんな微妙な一瞬だった。 p.252

比喩で造語の固有名詞を使うことある!? おもしれー

 

カルマの軌道修正は──彼は説明を続けた──もともとは何百年もかかることもあったのだ。事を動かす拍動は人の死だ。すべては生と死のサイクルでゆっくり動く、それが本来の姿なのだ。だが、世の中が市場経済で動くようになってくると、そんなにゆっくり構えていては、ビジネスとしてやっていけなくなってしまう。そこで現われたのが繰り延べシステム、すなわち未来を先取りしてカルマの借入れをするという算段である。近代のカルマ調整術からは、もはや〈死〉は置き去りにされていたのである。 p.253

カルマという前近代的でスピリチュアルな要素を資本主義経済という現代的でビジネスライクな要素で換骨奪胎する十八番

 

 

「あんたはね」ほんとに信じられないヤツだ、「シスター・ロシェルの東洋医学班チームにね、命を救ってもらってんの! 死んでたところを救い出してもらってんのよ。あの人たちが、タダでそこまでやってくれると思う? あんたにまわった請求書がね、このあたし! 一度あんたを殺した女をお供としてずっとそばに置いておく、それがあんたの支払い方法なんだからね。どれほどの義理の絆であんたにあたしが縛りつけられてるのか、わかる? わかんないか、あんたなんかに。"義理" ってものを創ったの、ニッポン人でしょうに、この、国民的な恥さらしめが!」 p.255

ラノベツンデレヒロインか? ってくらいオタクに優しい設定
DL的には間違えて殺してしまった借りがタケシにあるけど、タケシ的には命を救ってもらった借りがくノ一求道会に対してあるのか……DLとくノ一求道会の責任関係、シスターがDLに対してどれくらい会への所属を認めるかに依る気がする

 


〈カルマ調整師〉の仕事に出勤するタケシ達を待っていたのは、牽引ビジネスを営むヴァート&ブラッドのコンビ。
あ〜〜〜、かなり前にゾイドがプレーリーに会いにピザ屋に駆けつける前に会ってた2人だ!!!
4章 p.67~ 〈ヴァート&ブラッド商会〉:合法性の疑わしい牽引トラック・チーム

 

翌日、ヴァート&ブラッドはタケシ&DLにヴェトナム戦争の頃からの身の上話をはじめる……えっ!?お前らの回想入るの!?

今ではすっかり頭が上がらない、商会の事務員ティ・アン・チャンというヴェトナム女性との出会い

 

戦場でのエピソードに単なるバカ話を交えてかき回したような彼らの話が、ときに、炎の舌の奇跡が起こる寸前に霊に憑かれた者が見せるという癇癪的確信に満ちた意味不明の発声に肉薄するものがあった。 p.260

「炎の舌の奇跡が起こる寸前に霊に憑かれた者が見せるという癇癪的確信に満ちた意味不明の発声」って、ヴァインランドの語りそのものっぽいんだよな。すげー早口でドライブしていく文体

 

セッションを重ねるにつれ、タケシとDLの物語のほうも、この二人に少しずつ伝わっていった。(中略)ただこの二人は、他の客とは違って、「無料のアドヴァイス」とやらを押しつけたりせず、そのかわり、お互い同士、タケシとDLの物語の論評を展開した。ヴァートはそれをホームコメディとして楽しんでいたようで、タケシとDLの話になるたび、ライヴ・スタジオの聴衆に代わって、けたたましい笑い声を随所に差し挟んだ。
「そうゆうの、ちがうんじゃねえかなあ」ブラッドはヴァートの解釈に反対である。「もっと金曜映画劇場みてえんだよ。ほらよ、男のほうが不治の病を病ンデルっちゅう物語とかあるじゃねん」 p.260

相手の話の論評をその場で展開し、その解釈で揉めるのいいなぁ
私は少年漫画かラノベとして楽しんでいます

 

考えれば考えるほど、文字どおりの「マインドレスな悦び」というべきか、そういう状態に自分が押しやられていく気がする。つまり、その悦びを味わいつつ、同時に理性(マインド)を保っていることは、まったくもって不可能なのだ。 p.261

Gravity's Rainbow の初稿タイトルって確かMindless Pleasure だったよね!?


ヴァート&ブラッドの夜の牽引業エピソード。山腹から転落し果樹園のリンゴの木のてっぺんにひっかかった車を救い出せ!
→その車の運転手のサナトイドは巡礼者で、タケシの〈カルマ調整クリニック〉の噂を聞きつけてはるばるやって来たらしい。そっちと繋がるんかーい!しかも彼は10年前にフレネシに撃たれたとか……

 

「騒ぎなさんな。私はサナトイドだよ」
「ならご安心。オレたちの専門だ。車は?」
「ストレート」 この言葉に彼が込めた意味は、三次元の固体であって、シェード・クリークの町と牽引車の保管所を結ぶ道のりの途中でドロンと消えてしまわないということであった。サナトイドの車には、スクラップになってあの世に行ったはずが、生前に道路で重ねたカルマのために、再びこの世に返されたものも多く、そういう因果な車に、よくこれまでヴァートとブラッドはほとほと困らされていたのである。 pp.272-273

車まで生霊かよwww おもしろいな〜〜
ピンチョン、水素水とか量子力学の意思の波動みたいな疑似科学を、疑似科学と分かっているからこそ大好きそう

 

 

「そいつなら知ってるさ、ブラッド。町まで一緒に乗せてくわ」
「サテ……、その君たちの友だちは、いまこの辺りにいるんでしょうか」タケシが目を細めて部屋を見透かした。 p.273

この会話でいきなり視点・時系列がタケシ&DL側に戻ってびびった。

 

「ウィード・アートマン。あの男のことだもの、そりゃ出てくるわよね。いつ現れるか期待して、ちゃんと待ってるべきだった」
「あんたの仲間の女のこと、なんだとかかんだとか言ってたねえ」
「まだ機嫌は直ってねえみてえなんざ」ヴァートが言い添える。「あんなことになったんも、みんなあの女のせいだって言ってたいね」
霧隠の館の、光まぶしい調理室で、プレーリーはDLからいまの話を聞いていた。「ママが人を?殺した?」 pp.273-274

お次は現在時制の〈くノ一求道会〉でのプレーリー&DL&タケシ視点まで戻った!
つまり、ここでは


・現在(1984年頃)、〈くノ一求道会〉にてプレーリーがDL&タケシから2人の出会いの話を聞いている
→・シェード・クリークの〈カルマ調整クリニック〉で、ヴァート&ブラッドの身の上話をタケシとDLが聞いている
→→・夜にシェード・クリークの果樹園で車を救出したヴァート&ブラッドが助けたサナトイド、ウィード・アートマンから(10年前にトラセロ郡でフレネシに撃たれた)話を聞いている

 

という3重の入れ子構造を一気に2段駆け戻っている。

 

ウィード・アートマン:トラセロ郡〈白波(サーフ)大学〉の怪しい革命家だった。
インディペンデント・コントラクター(警察に協力して報酬を貰う民間人)のフレネシはブロックの指示でアートマンへの発砲を計画した。

 

ヴァート&ブラッドとかいうどうでもいい二人組のエピソードが最終的にタケシ、DLそしてフレネシ、ブロックまで繋がった。
脱線が多いと言うけれど、意外とメイン筋に最後の最後で合流する場合も多いかも・・・・・・そうかな?


やっと現在の〈くノ一求道会〉のプレーリーに話が戻った。(どういう状況だったっけ?)
フリーザーの中の蛍光に輝くバラエティ・ローフの処置にてんやわんやしている調理当番たちをよそに、プレーリー・DL・タケシは館を出発する。敵のヘリコプターが館を襲うが間一髪、地下通路から逃げ出して、DLのトランザムで3人は走り出す──

 

後部座席のプレーリーは、これが夢で、夢から覚めたらみんな別の人間、マイカーで週末のビーチに出かける家族になってたらいいな、と夢想した。どんなトラブルが起きてもコマーシャルをはさんでのやりとりが三十分も続いたあとは全部解決してるんだったら良いのになあ! と思い巡らしながら、身にふりかかった不条理をぐっとこらえているのだった。 p.278

プレーリー強く生きて・・・

TVやビデオといったマスメディアを現実の経験の上に重ねて解釈したり喩えたり現実逃避したりする描写がやっぱり多い。
今ならインターネット・SNS・動画サイトとかになるのかなぁ

 

 

 いや〜〜この矢継ぎ早に馬鹿らしいエピソードがまくし立てられる疾走する文体がスゲー気持ちいい

DLとタケシのキャラが立ちすぎて&エピソードが濃すぎてメインのゾイド・プレーリーらの話を忘れそう

すげ〜ポップなので、映画化か、漫画化か、アニメ化してほしい

 

 

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本文のやっと半分を越えた!!(巻末には分厚い解説案内が付いているので) 

 

付箋を貼ってる上側はこんなかんじ

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トマス・ピンチョン全小説 ヴァインランド

トマス・ピンチョン全小説 ヴァインランド

 
V.〈上〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)

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